日本人は何度も「年」を忘れる 【近況報告】

 

2018年最後の日を迎えました。

 

12月の25日まで、街は「クリスマス」に向かって色めき立っていましたが、26日に入ると一気に空気は変わり、いよいよ至近に迫った「くる年」を待つだけという雰囲気になります。

 

クリスマスを過ぎた頃、電車に乗っていると駅に到着するたびに、下車する者が引き続き乗車する知人に向け「よいお年を」と声をかけ別れていく光景。

駅のコンコースで別れる者、交差点で知人と他方に向かう者、街のあちこちで聴かれる、「よいお年を」「よいお年を」「ヨイオトシヲ」……

 

ここまで耳にしていると、この6文字がもつ「よいお年を(お迎えください)」という本来の意味を忘れてしまいそうです。

かく言う私も、年末にこの6文字を口にして別れを告げたことが幾度とありました。

 

12月は「師走」と呼ばれ、その名前にも当月の忙しさが表れているほど、人々やサンタクロースが慌ただしく動き回り、

街じゅうにせわしない空気や山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れるMonthです。


そんな12月において、もう一つ風物詩になっているイベントといえば「忘年会」でしょう。年を重ねるにつれ、自分が関与してきたコミュニティが増えていき、年末になると毎週のように会社や学校、地元の友人たちとの忘年会に参加するという人も多いのではないでしょうか。

 

今回のエントリーでは、私レモンエフがこの師走に参加した忘年会について振り返っていきたいと思います。

 

1忘れ【学科の同級生】

12月中旬の金曜夜、参加したのは学科の同級生が一堂(=居酒屋,日本で12月に使用される「一堂」は大抵これを指す)に会して催された忘年会です。

(何も前置きもなく使いましたが、「忘年会」を数える際の単位が「1忘れ,2忘れ…」で合っているのかは知りません。ここではあまり考えずに使います。そもそも忘年会を数えるってなんだよ )

 

12月の金曜夜といえば、忘年会を開く上でこれ以上ないくらいの時間帯です。さすが華金

かのシェイクスピアも弟子たちにはいつも「真の賢者とは、忘年会をフライデーナイトに開く幹事である」と教えを説いていたそうです。

 

会場となる居酒屋は大学近くのターミナル駅近くにありました。周囲には多数の飲食店が立ち並ぶだけあって、「年、忘れたい」という、同じ志を持った者たちが繁華街を埋め尽くしています。

 

そして我々も会場である居酒屋にピットイン。

(その居酒屋は雑居ビルの地下にテナントを構えていたので、まさに原義通り「ピット」


座席に通されて気づいたのですが、そこはかつて先輩たちと徹夜でトランプゲームに興じた場所でした。だいたいの席の位置まで同じ。

(良い子は真似しないでね!)

早速ビールの注がれた杯を乾かし、

運ばれてくる料理をつまみながら、

各々が呑みたいアルコールをタッチパネルで注文していきます。

 

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メイン料理として各卓に鍋がセットされました。

冬の居酒屋ってかなりの確率で鍋料理をコースメニューに入れてますよね。

 

ところで私の卓にきた鍋なのですが、店員さんが出汁を入れ忘れていたせいで

「出汁入ってる?」

「これ空焚きしてねえ?」

「そういうメニュー?」

と、我々は大いに混乱させられました。

 

その後、よくある一気呑み勝負(良い子は絶対に真似しないでね!)や当日が誕生日だったという同級生へのサプライズケーキ登場など諸々あって、宴たけ。

(=宴もたけなわ)

 

すっかり盛り上がって、「2018年」のことを完全に忘れ去った状態で居酒屋を出ました。

 

 

事件は、その直後に発生しました。

 

事件を起こしたのは、忘年会中にそこそこ呑んでいた(なんなら一気呑みもしていた)友達。

店を出てそのまま店の前で幹事が少しお話をして締めて解散〜、という流れになるのはよくある展開ですよね。しかし、その友達は店を出てそのままフラフラ〜っと歩いていきました。

「どこ行くんだ〜!!?」

と呼びかけます。しかし、彼の足はフラついてはいながらも迷いはありません。

 

どうしたのかと思っていたら、店から少し離れたところを流れている川まで歩いて、欄干からザ・リバース

 

そんなに自然な流れで“戻す”人もいるんだなと、遠く離れたところから爆笑しながらも感心してしまいました。

 

しかも戻すだけ戻すと、けろっとした顔でこちらに帰ってきて、幹事の〆の話をしっかり聴き、なんなら集合写真にもバッチリ写っていました。

 

つい先ほど「2018年」のことを忘れきった状態で居酒屋から出たところでこの事件が起きたので、帰りの電車内、私の記憶の中にはその友人がリバースしている後ろ姿しか残っていませんでした。

 

地獄だ。

 

ちなみにあとで彼から聞いた話では、以前も全く同じ場所からリバースしたことがあったそうです。

そんなことルーティンにするな、川に謝れ。

 

 

2忘れ【社会人の先輩Aさん】

大学の同級生との忘年会から数日経った日の夜、今年度から社会人になった先輩Aさんと忘年会をしようということで、大学近くのそこそこ大きい駅で集まりました。

Aさんとは今までに何度かご飯に行ったことがありますが、ここで特筆すべき点は恒例となっている店決めのルールです。

 

まず、LINEで開催日と集合する駅を決める

当日集合した後は駅周辺をうろつき、良さげな店を5つ前後ピックアップ。

先輩の同期の院生Zさんに電話をかけ、店名を伏せた状態(ex.「天ぷら」「オムライス」など料理のジャンル)で選択肢を伝え、選んでもらう

この店にしよう

 

という運びです。

私もAさんも即決することが苦手な性格なので、最終決定は院生のZさんに丸投げしています。ただ決めてもらえるだけでなく、かつてお世話になったZさんに電話をかけるきっかけになり、何を選ぶのかというバラエティー要素も得られるので毎回この方式を採用しています。

 

さて、今回集合した駅には商業ビルが併設しており、レストラン街もあったので、選択肢はサクッと決まりました。

そしてZさんに電話。

この電話は毎回事前の連絡なくいきなりかけているので、確実に出ていただけるとは限りません。実際、前回は電話に出ていただけなかったので、別の方にかけて決めてもらいました。

 

Aさんと「今回は電話出てくれますかねー」なんて話していたら、ものの数秒で出てもらえました。

 

レモンエフ「もしもし、お久しぶりです」

Z『おー久しぶりー』

レ「突然ですが今回の電話の要件、何か分かりますか?」

Z『Aとメシ食うから何食べるか決めればええんやろ?』

 

…この飲み込みの早さである。

 

選択肢を5つ列挙した中で選んでいただいたのは

Z『うーん、忘年会ってことだし、年末でちょっと豪華なものを食べた方がいいだろうからしゃぶしゃぶじゃない?』

 

…期待を超えて、しっかりとした理由を併せて選んでいただけました。

レモンエフ「ありがとうございます!よいお年を!

 

こうした経緯で今回のAさんとの忘年会ではしゃぶしゃぶを食べることに決まりました。

 

ちなみにZさんは集合駅からそう遠くない場所にお住まいで、電話にすぐ出られたということは暇なのだろうと推測し、一緒に忘年会に参加しないか誘ってみたのですが、

『いやー、電話がかかってくる直前にカップ麺にお湯入れちゃったんだよねー。あとほんとちょっと早ければなあーー!!』

とのことでした。

残念Zさん……

 貴方の今日の夕食はカップ麺です。

 

 

何はともあれしゃぶしゃぶを食べることで決まりました。

私くらいの階級になると、店でしゃぶしゃぶを食べるのはだいたい5年ぶりくらいだったのでワクワクものです。

 

実はしゃぶしゃぶの店に入ってからも、食べ放題にするか、肉の種類はどうするか、タレの種類はどうするか、などなど決断力の低い我々の前に数々の難問が立ちはだかってきました。

あのメニュー本はそこらの大学入試の赤本くらい難度が高いと思います。

 

「そんなことより早く肉を食わせろ」

とアニメに一人はいそうな食いしん坊キャラみたいなことを考えていましたが、選ばなくては仕方ないので、話し合いに話し合いを重ねて一つずつ決めていきました。

 

一通り決めて店員さんに

「しゃぶしゃぶにしますか?すき焼きにしますか?」

と訊かれたとき、遂に頭がプーになってしまいました。

 

訊かれたのが私とAさんだったため、生きて店を出ることができ、今こうしてブログを書いていますが、我々より決断力がない客だった場合はあそこで何人か死んでいると思います。

 

しょっちゅうしゃぶしゃぶ店に行く方にとっては常識なのかもしれませんが、私もAさんもめったに来ていなかったため

「いや、何が違うねん」

と、体内の髄液で大量のハテナマークをしゃぶしゃぶしていました。

 

恥ずかしながら店内でグーグル先生を駆使して調べました。

その違いをざっくり説明すると、

しゃぶしゃぶの方がすき焼きよりも肉が薄切りになっており、短時間お湯をくぐらせただけで食べられる」そうです。

 

それなら、と今回は肉が薄いしゃぶしゃぶで食べることにしました。

第一、Zさんに「しゃぶしゃぶ」を選んでいただいたのですから、これで我々が勝手に「すき焼き」を選択したら、後日このことを知ったZさんに

「しゃぶしゃぶ食うとらんやんけ、ワレェ! 💢(怒) なに勝手に肉少し厚くしてすき焼きにしてくれとうねん!!💢(怒)」

と怒られてしまうことでしょう。

 

慎ましくしゃぶしゃぶを選択しました。

 

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ようやくしゃぶしゃぶが食べられますよ。

 

まあ始まったら始まったで、慣れないものですから、野菜を一気に鍋に入れすぎて店員さんから

「あまり入れすぎると火力が弱まっちゃいますね。それだと鍋になっちゃいますよ」

とのご指摘をいただきました。

鍋はつい数日前に学科の同級生たちと食べたところなので、今回はお呼びではないです。

Zさんにも

「しゃぶしゃぶ言うときながら鍋食うとるやんけ、ワレェ! 💢(怒)」

と怒られてしまいます。

 

そして、しゃぶしゃぶって実際に食べている時間以外でも野菜を取りに行ったり、肉をしゃぶしゃぶしたりで結構忙しいんですね。

食べながらAさんとグダグダおしゃべり… という忘年会の理想形からは少し遠かったような気がしないでもないですが、美味しかったのでO.K.です。

 

おかげさまで楽しい忘年会になりましたし、誰かさんのせいで「2018年」の記憶が川にリバースする後ろ姿しか残っていなかったので、良き思い出で上塗りすることができました。

 

ちなみに久々の食べ放題にはしゃいでしまった私は食べ過ぎのあまり、制限時間終了後にはかなり危ないくらいリバースラインに近づいてしまいました。

なんとか無事に収まったので笑い話で済んでいますが、危うくリバースする後ろ姿をAさんに披露してしまうところでした。年相応の振る舞い、大事。

 

更に後日談ですが、このしゃぶしゃぶの代金を支払った際に、商業ビルが催しているガラポン抽選会の福引券をいただきました。

年末になると抽選会を催している商業施設は多いですよね。

 

「この福引券で買い物券を当てたら、券を使って新年会をここで開きましょう!」

とAさんに意気込み、約20分並んでガラポンを回しましたが、末等のポケットティッシュでした。

 

世の中そんなに甘くないか。

新年会ではAさんと、貰ったポケットティッシュをしゃぶしゃぶして食べたいと思います。

 

 

3忘れ【かつてのグループワークのメンバー】

いよいよクリスマスも終わり、「もういくつ寝るとお正月」モードに突入してきた某日。

2年前にグループワークでお世話になった先輩方と計5人で忘年会を開くことになりました。

こちらのメンバーについては、今年8月にもお食事会を催しており、その際の出来事は以前に記事で紹介しました。

lemonf.hatenablog.com

 

上に添付した記事の終盤でも述べられている通り、今回は忘年会ということで蕎麦を食べようという意向でまとまっていました。

せいぜい4ヶ月ぶりの集合ということもあり、皆さんほとんどお変わりない姿だったので一安心です。

新社会人の先輩が2名いらっしゃいますが、年内の仕事納めも無事に終えてきたとのことなので、さぞ美味しい蕎麦を召し上がることができるでしょう。

 

駅から少し歩くと、蕎麦屋が2件向かい合って並んでいる路地に差し掛かり、その一方が今回蕎麦をいただくことになっているお店です。

そんな陣内智則のコントみたいな立地の蕎麦屋あるんだ。

 

このお店は某有名人とゆかりがあり、壁には芸能人のサインがびっしりと貼られています。

「先輩のサインはないですねー」

「サイン書いて壁に貼ってあげましょうか」

などとベッタベタなボケをかまし、蕎麦を頼みます。

 

で、伸びちゃう前に食べちゃう。

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美味い!!!

もうこれでいつ年を越しても悔いはないです。

ソバの花言葉は「懐かしい思い出」らしいので、捉えようによっては年末の年越しシーズンに食べるものとしてうってつけといえるでしょう。



 

うってつけだろ、何か文句あるか。

 

ちなみに社会人の先輩が召し上がっていたカレー蕎麦も美味しそうです。

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写真に写り込んでいる先輩の袖口をご覧いただけるとお分かりかと思いますが、先輩はきちんと黒色系の服をお召しになっていたので、カレー蕎麦の汁撥ねによる衣類へのダメージは最小限に抑えられるでしょう。

やはり社会人の「先見の明」はイチ学生とは違うのだということが、こうしたコーディネート一つからも汲み取れます。

 





汲み取れるだろ、何か文句あるか。

 

美味しい蕎麦をズルズルッといただき、お店を出た後は近況報告をしながら街を歩いていました。

 

「大学の卒業論文で大事なのは量より質」

という値千金の知見を得たところで、そのまま解散するという選択肢もあったのですが、まだ宴がたけなわになっていないということで前回同様、今回も二次会を開くことに。


 

街には「二次会は温かいものがあるカフェがいい」という空気が漂い、我々5人を包み込んでいました。

 

そして、辿り着いたのはハワイアンカフェ。

私が普段使わないような、はっきり言ってしまえば私の性に合わない、敷居の高い店であっても先輩方と一緒なら全く怖くありません。

 

年末のハワイアンカフェはオサレな人々で賑わっています。

店内のBGMもハワイアンチックでアロハオエです。

 

壁際の席に案内され、ジャケットを脱ごうと腕を動かした際に、壁に取り付けられていたオブジェのような物体の角に小指をぶつけて流血騒動を起こしてしまったので、ある程度は身の丈に合った店に入ることが大事であると思われます。

 

こんなにオサレな雰囲気の上、店内の大きな窓からはばっちりオーシャンビューが望めるので、「ぐるなびの評価、高そうだな」などと考えていました。

 

そして各々料理を注文します。

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美味しそーーーーーぉ!♡

*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 

失礼。

思わずカフェ訪問日記をつけているOLみたいな感想が飛び出てしまいました。

 

ここはAmeba(アメーバ)ブログじゃなくて、はてなブログだ。

 

さすがハワイアンカフェだけあって、料理から器までやっぱりオサレです。

ドリンクにはタピオカが沈殿しているし、ピザには横文字の“アレ・ナンツッタカネ・ハム”が載っかっているし、ボウルはアサイーです。

 

これは確実にぐるなびの評価高いやつやん。

…ってことで美味しい料理をいただきながら、引き続き、近況報告や将来の展望を語り合っていました。

 

「コンピュータのプログラムは初め訳わからないけど、少しいじれば分かってくる」

という値千金の知見を得たところで、今度こそ宴たけ。解散。

 

解散前、恒例となっている記念写真を自撮りで撮影しました。

 

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8月の週末に撮影したときとは異なり、年末ということで周囲には大勢の通行人が行き交っていました。ということで自撮りも周囲の邪魔にならないようコンパクトに済ませています。

とうとう背景が天井ですからね。

 

新年2019年の4月には大学院,博士に進学する先輩もいらっしゃり、各々忙しくなることが予想されたので、次回このメンバーで集まるのは2019年5月頃ということでまとまりました。

 

おかげさまでこちらも楽しい忘年会となりました。すっかり「2018年」のことなんぞ忘れ去りました。

 

あ、会計は社会人の先輩方にもっていただいています。

非常にありがたいですね。

あまりに強い感謝の意が作用したのか、このことだけは忘れ去ることはありませんでした。

 

 

2018年の最後に

今年の2月に開設したこちらのブログ、今日に至るまでお読みいただきありがとうございました。

 

2018年、私としては大病もせず過ごせたのでまあ悪くない年でした。

振り返ってみると色々なことがあったような気がします。

「忘年会」の効果により、はっきり覚えているのは、社会人の先輩方に蕎麦とハワイアンをご馳走になったことくらいなのですが、まあ間違えても悪い内容でないことは確かです。

 

新年2019年もよい年になるといいなーと考えています。

来年も宜しくお願い致します。

 

それでは皆さん、よいお年を!